เข้าสู่ระบบマーちゃんは、その後もお酒や料理をたくさん楽しまれた後、大層ご機嫌な様子で帰っていかれましたとさ。 解体ショーではソフィーさんの肩に乗って一緒に踊っていたし、それはそれは上機嫌で良かったですよー。 しっかし驚きましたね……。 マーチャン様が実は水の女神・マーナヒリン様で、わたしに加護を与えたがっていて、マーちゃんになった……。 展開が急すぎてついていけない!「あら、アリシアもマーチャン様から加護をいただいたの?」「そうなんですよー。なんか気に入っていただいて。水の加護かー」 それと女神の羽根、涙を貯めた小瓶もいただきましたよ。「水の加護って便利よね♪」 ソフィーさんの声が弾んでいる。 ちょっとまだわたしにはその実感はないけど……。「そうなんですか? でも水関係のスキルとは違いますよね」 女神の加護はギフトスキルではないから、アクティブに行使するようなスキルではないはず?「ええ、直接何かをするわけではないのだけれど、何かと水関係でご利益があるのよ~」「何かと……だいぶざっくりですね」 具体的に教えてくださいよー。「たとえば外出した時に雨に降られにくいとか、喉が渇いた時に水場がすぐに見つかるとか」「地味、ですね……」 水の加護……地味だな……。「干ばつが起きずに畑の作物が安定して収穫できるとか」「おお、それはちょっと加護っぽい!」「でもこれは水の加護持ちが半径1km以内に100人以上集まらないと発動しない加護なのよね」「なにその発動条件……」「大雪を防ぐためには1000人以上が」「うわー、超めんどう……」 1000人ってだいぶ密集状態に……あ、なんかわかったかも! たぶんそれ、マーちゃんがおしくらまんじゅうを見て楽しんでるだけだわ!『そうじゃ。よくわかったの!』 ほーらやっぱり。 マーちゃんってば、いっつも信徒たちで遊んでるんだわー。もしかしてマーちゃんに限らず、女神様ってそんな方ばっかり?『私はそのような趣味は持ち合わせていません』 ミィちゃんはほかの女神様とは違うのよねー♡ おっぱいは柔らかいけど、頭は固い女神様だって知ってるから♡『またそれですか……。それひっぱってますけれど、私のキャッチコピーにしようと企んでも無駄ですからね』 バレテーラ♪≪おっぱいは柔らかいけど、頭の固い女神・ミィシェリ
「アリシアよ、我のものになるが良いぞ」 マーチャン様、もとい、マーナヒリン様が手を差し伸べてこられた。 めっちゃ笑顔……。 いざ女神様ですって言われて見ると、そこはかとなく気品を感じて……でもとにかくやっぱり超絶美少女だね! ロイスとは違った美しさよねー。これが人ならざる者の美しさなのかな。 だけど――。「我のものって言われてましても……」 さすがに躊躇しちゃうよね。ミィちゃんはあんなふうに言っていたけれど、本心はどうかなー。独占欲強そうだし。「我ら女神にそのような感情はないぞよ」 ぞよ……。 ああ、マーナヒリン様も心が読めるのね。 女神様はみんなそうなのかな。「汝を気に入った。だから我も加護を与えたい。ただそれだけなのじゃよ」 じゃよ……。 美少女でその語尾はずるい! なんかかわいくて抱きしめたくなっちゃう!「抱きしめてもよいぞ。我なら写真を撮っても、販売してもミィシェリアと違って怒ったりせぬぞ」『私も怒ったりはしていません! ですが派手に目立ちすぎるのを避けるために……』 あ、結局ミィちゃんも会話に参加するのね。 まあそのほうが早いかな。 でもさっきからソフィーさんがなんかオロオロしてるんですけど……。「おおそうか。ソフィー。今アリシアと大切な話をしておるから、部下を連れて下に行っていてくれるか?」「はい。かしこまりました……」 うぉ? ソフィーさんと天使ちゃんたちの目が急に虚ろに。 ゾンビみたいに歩いてVIPルームから出ていっちゃった……。「人払いは済んだぞよ」 うわー。やっぱり何かしらの力で人を操ったんだ! こわっ!「我はアリシアのすべてを受け入れるぞよ。我の裸の写真が撮りたいのか? 良いぞ。遠慮するな」 え、マジ? いいの? 何も言っていないし、今そんなことはちょっとも思ってもいないんですけど……。でも撮っていいなら……。『マーナヒリン! それはさすがにダメです』「冗談じゃよ。あいかわらずミィシェリアは固いの」「おっぱいは柔らかいのにね」「けしからんの」「けしからんの♡」 マーナヒリン様ってばノリがいい! ちょっと好きかも♡『2人して……。アリシア、女神が加護を与えると言っているのです。それは断るものではありませんよ。喜んで受け入れればそれで良いのです』 ふーん。そういうものかあ。
「それで、この踊りはどのように楽しめばよいのじゃ?」 チームドラゴンの演技を見ながら、マーチャン様が梅酒のグラスを傾ける。丸い氷がグラスの中でカランと音を立てた。 あんまり興味ない感じかなー。ソフィーさんと話をしているほうが楽しそうに見える。「お店のサービスの1つでございますので、お好きなようにご覧いただければ幸いです」「お好きなようにとはどうしたらよいのじゃ? 我にはわからんのじゃ」「そうですね。横目に見ながらお話を続けていただいてもけっこうですし……。わたしでしたら……この柔らかな音楽に合わせて踊る彼らの手足の動きに色気を感じてつい見つめてしまいますね」「色気とな。汝はあの3人の誰かが好きなのか?」 グラスをテーブルに置き、グイと顔を近づけてくる。興味津々といったところかな。どうやら恋愛話が好きな人みたいね。「いいえ、そういうことではなく……。えーと、一般論としてですね。男性のしなやかな動きに美しさと尊さを感じると言いますか……。ずっと見ていたいな。あの筋肉に触れてみたいな……となりませんか?」 なりますよね⁉ マーチャン様も女性ならちょっとはわかりますよね⁉「ならんの~。これっぽっちもならんの。我は未発達な体のほうが好きじゃ」 なんと……。あ、ああ……お気に入りの天使ちゃんたち、わたしと同い年くらいの新人ちゃん2名だったわ。マーチャン様ってば、ショタ好きでしたのね……。自分もロリロリなのに。「さ、さようでございましたか。では……わたしが少し踊りましょうか。なんちゃって」 ショタじゃないけど未発達な体……って誰がまな板幼女だっ!『交渉』スキルの持続効果のおかげで、容姿・体型ともにけっこう良い感じに成長してきてるわっ!「おう。それは見たいの。我はアリシアのことは気に入っておるぞ。ちと踊ってみせよ」 マジですかい。 まあ、それで楽しんでいただけるなら別にかまいませんけれどもね。 「かしこまりました。それでは失礼してわたしも舞台へ。どうぞごゆるりとお楽しみくださいませ」 恭しく頭を下げてから、わたしは3人のもとへ滑り出していく。 大きな動作で滑りつつ、3人それぞれと順番に絡んでいき、小声で事情を説明する。少し演技構成を変えて、わたしを中心にお願いね。 BGMチェンジ! ワルツで行こう! さあ見て。わたしたちの演技。チームの
「それで私言ってやったのよ~。あなたとはもう終わったのよ! 話しかけないでちょうだいって!」「おお、はっきり言ってやったのじゃな。それで、相手はどうなったのじゃ?」「それがね。泣くんですよ~。『あの愛し合った日々が忘れられない。俺を捨てないでくれ』って。男らしくないったらありゃしない」 うーむ。ソフィーさんもガンガンにお酒飲んで酔っ払っていらっしゃる……。 マーチャン様が楽しそうだからまあいいんだろうけど、VIPルームってこういうものなのかな? わたしが想像していたものとずいぶん違う……。 なんかほら、アタッシュケースに金貨がぎっしり入っていてさ、サングラスをした男が「確かに、1万枚の金貨を受け取りました。おーい、山田君、例のモノをお持ちして」「かしこまりましたー」「それではですね、そのかつらとサングラスをしていただいて、わたしたちは殺し屋の集団ということになります。わたしが先輩、みなさんが後輩です。『わたしが、おや、そんなに急いでどこに行くんだい?』と後輩のみなさんに声をかけますから、続いてお答えください」って感じのやつを想像してたんだけどなー。「それでね。そいつったら、往来の真ん中で突然服を脱ぎだしちゃって~」「それは傑作じゃの!」「『こんなところでみっともないからやめなさい』って言ったら、『じゃあ最後に1回だけ』って、まさかの体目当てだったのよ~。最低な男よね♡」「それは最低じゃの!」 いや、何の話よ……。 酔っ払いの会話やばいね。『アリシア? こちらロイス。聞こえたら返事どうぞ。オーバー』 お、ロイスから連絡だ。 どうしたんだろ。「こちらアリシア。聞こえてますよ。オーバー」『良かったわ。こっちは無事ローラーシューズショーが終わったわよ。みんながんばってた! お客様も大盛り上がりで大成功だったわよ!』 ロイスのテンションが高い。 それだけうまく行ったってことかな。良かった良かった。「報告ありがとう! うまくいったみたいで良かったわー。初回なのに見てあげられなくてごめんってみんなに謝っておいてくれる?」『うんうん。伝えとくね。セイヤーがね「暴君幼女がいなくてももう大丈夫っす」って言ってるわ』「ほう、そうかそうか。セイヤーはあとでわたしがどれくらい暴君かを体にわからせてやらないといけないようだね」『あ、セイヤーが逃げた
「え、何? ソフィーさんが呼んでるの? 3階のVIPルーム?」 ホールに向かってローラーシューズで滑っていたところ、天使ちゃんに呼び止められた。「もうすぐローラーシューズショーなんだけどなー。なんかトラブル?」「はい、どうやらお客様が暴……アリシアちゃんを呼んでいるみたいで」 ギリ許す。キミにはアメちゃんを上げよう。「お客様かー。それはしかたないね。いきます。でもちょっと待って」 しまったなー。体が2つほしい。コピーロボットの開発を本気で進めなければ……。 でも今日のところはこれでなんとか指示を――。 アイテム収納ボックスから開発したばかりのヘッドセットを取り出して装着する。 うまく使えるかな?「あー、あー、マイクテストマイクテスト。こちらアリシア。控室、聞こえますか?」 どうかな。……反応ないな。「こちらアリシア。声が聞こえていたら、緑の〇ボタンを押して通話を開始してください。オーバー?」『……れ、ですね。もしかしてトランシーバー? こちらロイス、聞こえますか? オーバー?』「お、ロイス。さすが! そう、トランシーバーだよ。こっちの声は聞こえてる?」『ええ、クリアに聞こえています。アリシア、あなたこんなものまで作っているの?』「機械類は得意分野なのー。学生時代にちょっとね。だけど魔石って便利ね。音声を集積して電波に変えて飛ばすこともできたのよー。まあ、でも電波が届く範囲は狭いから、せいぜい店内くらいの範囲にはなっちゃうけどね」『それはそれは……。それで何か用事?』「ああ、そう。ちょっとトラブルみたいで、VIPルームに行かないといけないの。だから20時のローラーシューズショーに立ち会えないと思う」『大丈夫、かしら……。みなさん平気?』 さすがにちょっと不安そう。 ロイスが3人の反応を確認してくれているみたいね。『闘魂注入されたからいけるって』「よろしい! 良い返事だ! みんなの活躍に期待してるよ!」『私に何かできることはある?』「そうねー。3人を送り出してくれると助かる」『送り出す?』「そう、送り出すー。ほっぺにキスして『がんばって♡』ってやつー」『うそでしょ⁉ あなたいつもそんなことやってるの⁉』「じゃあ頼んだよー。急いでいるから通話終了。オーバー!」『あ、ちょ――』 はい終了。 顔を赤くして慌てふ
VIPのお客様のお相手は、ソフィーさんとマーチャン様のお気に入りの天使ちゃんたちに任せてーと。わたしは調理場の様子と1階のホールの様子も確認しないとね! プロデューサーさんは大忙しなのだ!「どうやってるー? 機械の調子はどうかしら?」 夜の間、ナゲットクンの機械はお休みさせているけれど、他の機械は稼働しっぱなしにしているのです。大盛況だから、製造し続けておかないと明日売るものが足りなくなってしまう恐れがありまして。「はい。順調です。肉の裁断機は正常に動いています。油の温度調節も正常です。オーブンも正常に動作しています」 調理場の天使ちゃんたちはとってもまじめ。 時間ごとにしっかりとシフトを守って働いてくれている。「報告ありがとう! サポートロボットの調子はどうかしら? ちゃんと役に立ってそう?」 重いものを運んだり、料理をサーブする補助のために、ホールの天使ちゃんたちに1人につき1体のサポートロボットをつけてみたのでした。個人認証させて自動追従するシステムだよー。高速で移動しても汁物をこぼさない重力制御搭載! キッチンから天使ちゃんが手で運ぶよりも事故がなくて安全!「ええ、そちらも今のところとても順調のようです。ホール係の話によると、『丸っこくてかわいい』とお客様からも好評をいただいているようです」 でしょうでしょう♪ 皇帝ペンギンの皇ペンちゃんですよー。ローラーシューズでシューっと滑っていく姿がペンギンっぽかったので、外見もかわいらしくしてみたよ♪ ゆくゆくはグッズ化! とりあえず表のガチャガチャに皇ペンちゃんグッズを入れてみて世の反応を見てみるか……。「お席が60分制になっていますから、料理の待ち時間を極力減らすことを心がけていきましょうね。注文したらサッと料理が出てくる。お食事に満足してすぐに帰っていただく。そして次のお客様をお迎えする。大変ですけど短い時間でお客様に満足していただけるように、しっかりとおもてなしをよろしくお願いします!」「「YES、暴君幼女!」」「おい、声を揃えて暴君幼女って呼ぶなっ! ホントに暴力振るうぞ! わたしの全力パンチはホントに痛いからなっ!」 こぶしを振り上げると、天使ちゃんたちが笑いながら散り散りになって逃げていく。 まったく、悪ふざけが過ぎるわ! 君たちのまかないは1品減らす! さて、次は
「伝えにくいことって……」 はっ! もしかして、この間ボール遊びをしていて教会のステンドグラスを割ったから、罰が与えられる⁉「いいえ。私は女神ですから、そのようなことで怒ったりはしません。ですが、あなたはきちんと謝ることのできる大人になれると良いですね」「はい……ごめんなさい」 黙って逃げてごめんなさい……。「許しましょう。ですが、伝えたいのはそのことではありません」 あれ? ミィシェリア様って、さっきわたしの心の声に返事しなかった?「ええ、あなたの心の声は全部聞こえていますよ。私は女神ですから、信徒の心の声を聞くことができます。神と子の間に隠しごとはできませんから、裏表なく、清
「アリシア=グリーン。10歳のお誕生日おめでとうございます」「あ、ありがとうございます……女神……様」 わたしは頭を垂れ、跪いたまま冷や汗ダラダラだった。 やばい。女神様の名前、度忘れした……。 なんだっけ……。 ここパストルラン王国では、七神の女神が信仰されている。10歳の誕生日に七神いずれかの女神に礼拝し、洗礼を受けることになっているのだけど、だけど……。 わたしが洗礼を受けるのは……えっと、愛の女神様なんだけど……名前が……そうだ、ミィシェリア様! あっぶない、思い出したー!「女神ミィシェリア様。ご機嫌麗しゅう」「もし? 聞いていますか? あなたの名前はアリ
「洗礼式、早く始めてくださいよー」 ミィシェリア様が再びわたしの頭の上に手を置いたまま、特に何もせずに数分が経過していた。「これで洗礼式を終わります。アリシア、あなたは女神ミィシェリアの名のもとに洗礼を受け、仮成人となりました。おめでとうございます」「へ? 終わり? さっきみたいなぐわーって熱くなったり、なんか光がパーっとなったり、天井から天使が舞い降りてきたり、女神の祝福のキスとか……そういうのないんですか?」「ありませんね。洗礼式はあなたの内側にある鍵を開けるだけですから、私から付与するものは何もありません」 なんだーそれー。期待して損したー。演出弱いなー。ゲームだったらここでプ
ミィシェリア様の手を通じて、わたしの頭の中に、誰かの記憶の断片が流れ込んでくるのを感じる。 これは誰? 男の子? 見たことない服。周りの風景。 あ、待って。なんかちょっと思い出してきたかも。 あ……前世。これが前世なんだ。 わたし、前世では男の子だったんだ。気弱そうであんまりかっこよくない……。王子様とは違う。がっかり。 流れ込んできた記憶、そして知識が紐づいていき、わたしは前世という概念を理解した。 大学。研究。ロボティクス工学。就職活動。 知らない言葉が頭の中に浮かんでは消える。そして脳内に浮かぶ映像とともに理解する。 わたし